2026年メモリ・SSD高騰の衝撃:自作PCとスマホ買い替えの今を考える

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2026年に入り,PCパーツの価格が跳ね上がった。店頭でも通販でも,メモリとSSDの値付けが以前の感覚と合わず,買い替えや増設の判断が難しくなっている。

Paso-Lab.でも以前,自作PCを前提にした運用が年々割に合わなくなる感触を,自分の体験として書いたが,いまの相場は,それを超えるものである。

2026年初頭の異変:なぜ体感で分かるほど上がったのか

2026年2月現在,メモリとSSDは,単に高いというよりも,上がり方が尋常ではない。価格が落ち着くまで待つ戦略が取りにくく,先延ばしがそのまま損失になり得る状況にある。実際,メモリメーカーがサーバ向けに増産の道へ歩むなど,PC向けやモバイル向けの供給が細りやすい構図が続いている。

スマートフォンも例外ではない。スマホのメモリ(LPDDR系)とストレージ(NAND)は,サーバやAI用途と同じ供給網にぶら下がっている。メーカーが「同価格で容量増」が出来にくくなり,ベースモデルの据え置きや,実質値上げ(上位容量への誘導)が起きやすい局面に入る。

価格高騰の背景:AI特需と生産リソースの偏り

今回の高騰を一言でまとめるなら,生成AIがメモリを必要としているからである。特に象徴的なのがHBM(High Bandwidth Memory,高帯域幅メモリ)である。HBMはAIアクセラレータ向けで需要が爆発し,メーカーはそこへ投資と生産能力を注力する。

そうすると自ずと他用途の供給が絞られる。つまり,AI向けが伸びるほど,われわれが購入するDDR5やSSD側にも影響が波及する。

さらに,日本においては,昨今の為替と輸入コストの影響も受ける。円建ての輸入価格が為替要因で押し上げられやすい状態は,報道されているとおりである。メモリやSSDはグローバル相場+為替で揺れるため,われわれ日本の消費者は,二重に影響を受けることになる。

いつまで続くのか:2026年後半〜2028年の見通し

多くの人が気にするのは,いつ下がるかである。ここは希望的観測を切り捨てて,Paso-Lab.による見通しで整理したい。

2026年内:劇的な下落は起きにくい

TrendForceは2026年1Q時点で,上昇見通しを大幅に上方修正しています。これは一過性の在庫調整ではなく,供給制約と需要の強さが色濃く残っているサインである。

短期で価格が元に戻るとは考えにくく,2026年は高止まり,もしくは上下しつつも高い位置で推移する,というのが見解である。

2027年〜2028年:供給回復の可能性はあるが,底値の再来はまだ遠く

新工場の寄与や供給増で価格の上昇傾向に変化を見せる可能性はある。しかしAI需要が消える見込は少ない。より高度化すると考える方が妥当だろう。上昇傾向が鈍化する,それくらいで考えておく方がよいかもしれない。

高騰中の代替策:いま賢くハードウェアと付き合う方法

高いなら買わない,というわけにもいかない。代替策は,延命,中古,クラウド,ソフトの4種である。

1. 既存資産の延命:買わずに効かせる

まずはお金をかけずに体感を改善する。

・OSのクリーンインストールで常駐を削る
・ブラウザのメモリ節約機能をONにする
・自動起動アプリを整理する
・作業データを内蔵から逃がして空き容量を確保する

内蔵SSDを増設したくなる場面でも,データ倉庫は外付けHDDで割り切る。SSDを速度の必要な領域に限定して使い,倉庫は安い媒体へ逃がす,これでひとまずしのぐ。

2. 中古,リファービッシュ:価格高騰局面で価値が上がる

新品が上がる局面では,中古の相対価値が上がる。特に,1〜2世代前のものを採用することで費用対効果が出る。

・DDR5前提を外し,DDR4環境で増設する
・整備済みノートPCでしのぐ
・SSDは容量より信頼性を優先し,データは別媒体へ分散する

ポイントは,新品の最新規格に固執しないことである。Paso-Lab.でも自作PCの方式自体を見直す話を書きましたが,いまはまさに,その判断が合理的になりやすい局面である。

3. クラウドへ逃がす:PCを買う代わりに借りる

高騰局面で効果を発揮するのは,CAPEX(買い切り)をOPEX(利用料)へ転換する発想である。Paso-Lab.ではWindows 365の代替を探した文脈で,さくらのVPSを検討したことがある。現実には用途により向き不向きがあるが,例えば次の切り分けが実務的である。

・文章作成,事務処理,軽い開発:クラウドPC,VPS,リモート環境で代替整備
・動画編集,3D,重いゲーム:ローカル性能が要るため延命+中古による整備

4. クラウドストレージへの戦略的シフト

SSD容量を足す代わりに,データの置き場をクラウドへ分離する。写真,書類,講演動画など,端末に置く必要がないデータは外へ逃がしたほうが,内蔵容量を節約できる。ランニングコストはかかるが,SSDの増設に比べて支払いが平準化され,リスク分散にもなる。

結論:スペック至上主義からの脱却と賢明な投資

2026年のメモリ,SSD高騰は,一時的な値上がりというより,デジタル機器の価格基準が持ち上がる過程と捉えた方がよい。AIとデータセンターが需給を支配している間は,従来の常識である待てば安くなる,は期待できない。

いま取るべき戦略は,すべてを最新にするのではなく,用途ごとに最適化することである。

  • ローカルは延命と中古でコストを抑える
  • 容量は外付け,クラウドへ逃がす
  • 必要ならクラウドPCやVPSで計算資源を借りる
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